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良スレはスレッド全体で成り立っている
先日、どこでも読書『思い出に残る食事(1)せつない思い出』(税込105円/2ちゃんねる管理人・西村博之編)を購入、ダウンロードしてみました。・・・が途中で読むのをやめてしまっています。

「2ちゃんねる」の人気ログなどを電子書籍として配信といったニュースが聞かれたとき、私は非常に良い試みだと思いました。
というのは、2ちゃんねるほどの巨大掲示板になりますと、面白いスレッドを見つけるのは大変難しく、ましてや自分が普段ウォッチしている以外の分野なら目に触れることすらないことも多いと思います。そういったスレッドを発掘して電子書籍にしてくれるというのですから、非常に便利に感じたのです。

私と同じような思いを抱いた人も多かったのか少なかったのか、2ちゃんねる生まれの電子書籍が数多くダウンロードランキングに顔を出し、そのヒットのいきさつなども報じられました

そんな評判も知った上で購入してみたわけですが、私は少々期待はずれでした。
良くできた書き込みだけを寄せ集めたものだけあって、たしかに「書き込み」としてみれば、非凡なものばかりで興味深く読めるのですが、お金を取れるだけの質がうんぬんと言う前に、2ちゃんねるを眺めているときのような楽しさがないのです。

それで改めて2ちゃんねるの面白さについて、私なりに考えてみました。
掲示板の書き込みというのは、あるスレッドが立てられたときに良作と呼べるものから駄作まで幅広く書き込まれます。そういった質の幅、ギャップも楽しみの一つのように思います。
そして日々刻々と増えていく書き込み、またその書き込みに対する感想などが同時に流れるというライブ感。この感覚も掲示板ならではだと思います。自分と同じ感想が書き込まれたときなど、大げさに言えばオーディエンスとして気持ちを共有できたようにさえ感じます。

料理の話で「アクも味のうち」などと言われることがありますが、こういった掲示板生まれの書籍も良い部分だけを残そうとせず、スレッド全体(の雰囲気)を書籍に再現する、といった工夫が欲しいと思いました。
by masaki_graffiti | 2005-04-26 05:12 | 書評/読書日記


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