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EZ Book Land! 雑感(前編)
 4月21日に始まった「EZ Book Land!」。毎週木曜日に更新らしく(GWはお休みだったようですが)、徐々に新しい情報を加えています。Flashを利用したメニューは、各カテゴリを本の栞を模したものとなっており、なかなか趣きあるものになりました。
 このEZ Book Land!開設に際して思うところもいろいろありましたので、それを書き記しておきたいと思います。

 まず最初に強く感じたのは「電子書籍よりも紙の書籍の情報に偏りすぎている」ということです。もちろん、私自身が電子書籍に強く興味を持っているからこそ、そういう印象が強いというのは否めません。ただ、「デジタルコンテンツ販売と物販の連携」の先駆けである「EZ Music!」と比べてもデジタルコンテンツ販売へ力を注ぐ割合がかなり低く感じられます。

ITmedia 神尾寿の時事日想:「EZ Book Land!」に見るauコンテンツ戦略の真意より
 auRecords、そして今回のEZ Book Land!を見れば分かるとおり、auはパッケージ販売という物販の上位に、低価格・大量消費型のデジタルコンテンツ販売というレイヤーを被せようとしている。これは新たなプロモーションと販売の連携モデルであり、これまで別々の流通であったデジタルコンテンツと物理パッケージをシームレスに統合するものだ。今どきの言葉を使うなら「通信と物流の融合」である。
 こちらにも書かれていますように物販の上位にデジタルコンテンツを置くものと私は思っていたので、それに見合った情報量となるものと思っていたのです。ところがEZブック(電子書籍)関係の情報は開始1週間後の初めての更新のときにわずかに提供されただけでした。

 情報を提供する側にたってみますと、まず「au Books」で提供される紙書籍が45万タイトル。一方EZブックは7千タイトル強ですので、紙書籍と比べますと強くプッシュできるタイトルの絶対数は少ないでしょう。いま世間で話題の書籍は当然紙の書籍のほうが多く、ニュース性の高い情報を載せるとなるとEZブックの割合は低くなります。
 そして、EZ Book Land!を立ち上げるにあたって、提携したのは出版社(つまり版元)ではなく、書店の丸善。当然紙書籍販売への配慮があったのだと思います。

 こう考えてきますとEZ Book Land!での紙書籍への注力は仕方ないとも思えてきます。しかし、このままでは電子書籍はやはり憂き目を見つづけるということになりかねません。
 これまでのエントリーでも述べていますとおり、私は電子書籍が「眠っている書籍購買層」を開拓する可能性があると考えていますし、また出版界にとってのメリットも小さくないと思っています。そういう意味で、EZブックも、より強力に推し進める必要があるでしょう。

 後編では「EZ Music!」や着うた/着うたフルとの比較をしながら、EZ Book Land!のあり方を考えてみたいと思います。

※ 05:20頃 一部加筆しました。
by masaki_graffiti | 2005-05-07 02:40 | 電子書籍について


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